13. マイグレーションガイド¶
本章では、NEC BaaS Java / Android SDK の以前のバージョンからの API の変更点や移行方法について説明します。
13.1. ver 6.5.0 → 7.0.0 での変更点¶
13.1.1. ライブラリ構成変更¶
SDKライブラリのファイル名(.jar, .aar)および構成が一部変更となりました。
- NebulaClientCore-*.jar ⇒ baas-client-core-*.jar
- NebulaClientAndroid-*.jar ⇒ baas-client-android-*.jar
- SsePushClient-*.jar ⇒ ssepush-client-*.jar
- sde_commons-cipherdb-*.aar ⇒ 削除 (baas-client-android-*.jar に包含)
また、Android の場合は baas-client-core-*.jar の組み込みも合わせて必要となります。
詳細は SDKセットアップ手順 を参照してください。
13.1.2. API 追加¶
以下の API が追加されました。
- JSONオブジェクトストレージ: Aggregation
- API Gateway 呼び出し
詳細は、 オブジェクトの集計 、API Gateway を参照して下さい。
13.2. ver 6.0.0 → 6.5.0 での変更点¶
13.2.1. 依存ライブラリの変更¶
依存ライブラリから httpclient が削除となり、代わりに okhttp が必要になりました。 詳細は SDKセットアップ手順 を参照してください。
13.2.2. NbServiceBuilder.setProxy() 削除¶
NbServiceBuilder.setProxy() は削除となりました。 今後は NbService.setProxy() を使用してください。なお、プロキシ設定は 全 NbService で1つのみの共通指定となります。
13.2.3. NbUser.login メソッド変更¶
NbUser.login の引数が変更となり、ワンタイムトークンを使用したログイン(SAMLなどで使用) が可能となりました。 従来のメソッドもそのまま利用できますが、@Deprecated 扱いとなります。
また、ユーザ名でログインする loginWithUsername() および E-mail でログインする loginWithEmail() を新設しました。
13.2.4. コールバック型変更¶
従来は API の結果を受け取るために、用途別に異なるコールバックインタフェース (NbUsersCallback, NbObjectCallback など)を使用していましたが、 コールバックインタフェースを以下の3つに統一しました。
- NbResultCallback : onSuccess() の引数無し
- NbCallback<T> : onSuccess() の引数は T 型の1個
- NbCountCallback<T> : onSuccess() の引数は T 型、int 型(カウント)の2個
従来のコールバックインタフェースは原則上記いずれかを継承する形となります。 (後方互換性は維持されます)
13.2.5. コールバックで複数値を受け取る API を単数値受け取りに変更¶
以下の API について、コールバック型が変更となります。
- NbUser: login, logout, save, register, getUser, refreshCurrentUser
- NbGroup: save, getGroup
- NbObject: save, partUpdateObject
- NbObjectBucket: getObject
- NbFileBucket: uploadNewFile, uploadUpdateFile, getFileMetadata, enablePublishFile, disablePublishFile
従来はこれらは List 型で値を受け取るようになっていましたが、 値は常に1個しか渡されないようになっていたため、 単一の値を受け取るようにコールバック型を変更しました。 (旧 API は @Deprecated 扱いとなります)
13.2.6. NbObject.query および NbUser.query メソッド変更¶
NbObject および NbUser の query() メソッドは、 query() と queryWithCount() の2つのメソッドに分割されました。
query() は全件数取得なし(コールバック型は NbCallback<List<T>> または NbListCallback<T>)、 queryWithCount() は全件数取得あり(コールバック型は NbCountCallback<List<T>>) となります。 (旧 API は @Deprecated 扱いとなります)
コードの変更例(NbObject.query())を以下に示します。
// 旧実装
bucket.query(query, new NbObjectCallback() {
@Override
public void onSuccess(List<NbObject> objects, Num count) {
...後略...
// 新実装(全件数取得不要な場合)
bucket.query(query, new NbListCallback<NbObject>() {
@Override
public void onSuccess(List<NbObject> objects) {
...後略...
// 新実装(全件数取得必要な場合)
bucket.queryWithCount(query, new NbCountCallback<List<NbObject>>() {
@Override
public void onSuccess(List<NbObject> objects, int count) {
...後略...
また、NbQuery のソート順序関連メソッドとして setSortOrders, addSortOrder, getSortOrders が追加されました。 旧メソッド(setSortOrder, getSortOrder) も使用できますが、@Deprecated 扱いとなります。
13.3. ver 5.0.1 → 6.0.0 での変更点¶
13.3.1. Push¶
FCM (Firebase Cloud Messaging) に対応しました。
旧 GCM (Google Cloud Messaging) も使用できますが、FCM に移行することを 推奨します。詳細は Push 通知ガイド の "Android Push (FCM)" を参照してください。
なお、GCM を使用する場合は以下の点にご注意ください。
- NbGCMPushInstallationCallback は廃止となっています NbFcmPushInstallationCallback に変更してください。シグネチャも変更となっているので注意してください。
- NbGCMPushInstallation クラスは NbFcmPushInstallation を継承するように変更されています。
13.4. ver 5.0.0 → 5.0.1 での変更点¶
13.4.1. SSE Push¶
以下の不具合を修正しました。
- SSE Push の TCP 接続途中経路が切断した場合に、クライアント側で切断検知できない。
- SSE Push のハートビート喪失を検出したあと、SSE Push の再接続が実行されない。
これにともない、SSE Push クライアント側に無通信エラーを検知するための API を追加しました。具体的には以下2点です。
- NbSsePushReceiveClient: setHeartbeatInterval() API を追加
- NbSsePushReceiveCallback: onHeartbeatLost() コールバックを追加
注意
SSE Push クライアントの API が変更となったため、既存のアプリケーションは修正が必要となります。
詳細は、Push通知ガイド の SSE Push受信実装(Pure Java/Android編) 、 および Java / Android リファレンス を参照ください。
13.5. ver 4.0.0 → 5.0.0 での変更点¶
13.5.1. ユーザ管理¶
- ユーザの所属グループ情報を取得する API を追加しました。
- ユーザ検索時に skip/limit 条件を指定する API を追加しました。
13.6. ver 3.0.0 → 4.0.0 での変更点¶
13.6.1. SQLCipher¶
オフライン機能のデータベース暗号化に使用する SQLCipher が SDK には含まれなくなりました。
オフライン機能を使用する際は、Maven Central から SQLCipher をダウンロードするようにするため、 アプリケーション側 build.gradle の dependency に以下の記述を追加する必要があります。 詳細は SDKセットアップ手順 を参照してください。
compile 'net.zetetic:android-database-sqlcipher:3.3.1-2'
13.6.2. 依存ライブラリの更新¶
依存ライブラリの一部のバージョンが更新されています。 SDKセットアップ手順 を参照して、build.gradle の更新を行ってください。
13.6.4. SDE Push 機能削除¶
SDE Push 機能削除が削除されました。ライブラリも削除されています。
13.6.5. ADT Plugin サポート削除¶
ADT (Android Developer Tools) のサポート終了にともない、 ADT Plugin 向けのライブラリ類を削除しました。
Eclipse + ADT をお使いの場合は、Gradle + Android Studio への移行が必要です。
13.7. ver 1.2.3 →3.0.0 での変更点¶
13.7.1. バッチAPIの追加¶
オブジェクトストレージにバッチ API が追加されました。 詳細は、APIリファレンスの NbObjectBucket を参照ください。
13.7.2. ユーザオプションフィールドの追加¶
ユーザに任意の情報をオプションとして設定できるようになりました。 詳細は、APIリファレンス NbUser クラスの setOptions(), getOptions() メソッドを参照ください。
13.7.3. SSLv3 無効化¶
POODLE脆弱性対策のため、SSLv3 接続を無効化しました。
13.8. ver 1.2.2 → 1.2.3 での変更点¶
13.8.1. オフライン機能の改善¶
オブジェクトバケットのバケットモードに、ローカルモードが追加されました。 ローカルモードは常にローカルキャッシュを読み書きするモードで、サーバとは同期しません。
また、大量のオブジェクトを同期する際、分割同期を行うことでメモリ使用量を削減しています。
13.8.2. API強化¶
以下の API 強化が行われています。
- ユーザ管理: ユーザ名に "@" を使用可能
- ユーザ管理: NbUser にオプションフィールドを追加 (任意の Key-Value 値を格納可能)
- グループ管理: グループ保存時に楽観ロックを実施する
- 例外対応: API呼び出し時に引数不正の場合は IllegalArgumentException を throw する
13.8.3. マルチテナント対応 (Pure Java のみ)¶
マルチテナントに対応しました。複数の NbService を同時に使用して、 複数のサーバ・テナント・アプリに同時接続できます。
API 上は以下の変更が加わっています。
NbService
- enableMultiTenant() 追加
NbUser, NbGroup, NbObject
- マルチテナント対応メソッド追加
13.9. ver 1.2.1 → 1.2.2 での変更点¶
13.9.1. オフライン機能の改善¶
オブジェクトストレージのオフライン機能が大幅に変更されています。
オブジェクトバケットに、バケットモード(NbBucketMode)が追加されました。 バケットモードには以下のモードがあります。
- オンラインモード: 常にサーバと通信するモードです。
- レプリカモード: 常にローカルキャッシュを読み書きするモードです。サーバとの通信は、同期時にのみ発生します。
API上は以下の変更が加わっています。
キャッシュポリシーおよびネットワークモードの概念および関連 API を削除
NbObjectBucketManager
- getBucket(), deleteBucket() をオンライン / レプリカモード用の2つの API に分離
- setSyncScope() / getSyncScope() 削除
- registerSyncEventListener() / unregisterSyncEventListener() 削除
NbObjectBucket
- setSyncScope() / getSyncScope() 追加
- registerSyncEventListener() / unregisterSyncEventListener() 追加
- getLastSyncTime() 追加
NbObject
- コンストラクタの引数変更 (モード引数追加)
- sync(), removeCache() 削除
13.9.2. オフラインバケットインデックス機能の追加¶
オフラインバケット(レプリカモード)の検索を高速化するため、 オブジェクトに対しインデックスを設定できる API を追加しました。
詳細は、NbObjectBucket.setIndexToLocal() APIを参照してください。
13.9.3. インデックス・シャードキー関連¶
インデックスキー、シャードキー関連の API は削除されました。
13.9.4. ファイルオフライン機能¶
ファイルオフライン関連の API は削除されました。
13.10. ver 1.2.0 → 1.2.1 での変更点¶
13.10.1. ライブラリJARの変更¶
Android ネイティブ開発時には、NebulaClientCore-x.x.x.jar は不要になりました。 NebulaClientCore-x.x.x.jar 相当の機能はすべて NebulaClientAndroid-x.x.x.jar に含まれます。
13.10.2. ユーザ/グループAPIの変更¶
NbUserInfo, NbGroupInfo クラスは廃止となりました。 コールバック関数では、代わりに直接 NbUser, NbGroup クラスが渡されるように 変更しています。
13.11. ver 1.1.0 → 1.2.0 での API 変更点¶
1.2.0 では、パッケージ名・クラス名・定数名を大幅に見直ししています。
13.11.1. パッケージの変更¶
トップレベルパッケージを、com.nec.android.baas から com.nec.baas に 変更しました(全クラスに影響あり)。
また、機能別にサブパッケージを以下の通り分割しています。
- core: コア機能
- user: ユーザ・グループ管理
- object: オブジェクトストレージ
- file: ファイルストレージ
- json: JSONパーサ・ジェネレータ
- push: Push
- generic: Pure Java 実装
13.11.2. クラス名の変更¶
すべてのクラス名の先頭に "Nb" プレフィクスを追加しました。
ただし、従来 "Nebula" プレフィクスがついていたクラスは "Nebula" を削除して "Nb" に変更しています (例: NebulaObject → NbObject)。
上記ルール以外の変更としては、以下の変更を行っています。
変更前 | 変更後 |
---|---|
BucketInfoCallback | NbBucketCallback |
FileResolveConflict | NbFileConflictResolver |
FileResolveConflictListener | NbFileConflictResolverListener |
FileResolveConflictListener.SyncErrorCode | NbFileConflistResolverListener.SyncError |
NebulaDownloadCallback | NbFileDownloadCallback |
IndexInfoCallback | NbIndexCallback |
ResolveConflict | NbObjectConflictResolver |
SyncEventListener | NbObjectSYncEventListener |
GroupInfo | NbGroupEntity |
GroupInfoCllback | NbGroupEntityCallback |
UserInfo | NbUserEntity |
UserInfoCallback | NbUserEntityCallback |
13.11.3. 定数名変更¶
NbClause (旧 Clause) の定数を以下のとおり変更しました。
変更前 | 変更後 |
---|---|
CASE_INSENSITIVITY | IGNORE_CASE |
CASE_MULTILINE | MULTILINE |
CASE_EXTENDED | EXTENDED |
CASE_DOT_MULTILINE | DOT_MATCH_NEWLINE |
13.11.4. 型変更 (int → enum)¶
NbObjectSyncEventListener (旧 SyncEventListener) に定義されていたエラーコード(int型) を SyncError (enum) に変更しました。さらに、以下の名称変更を行いました。
- ID_OVERLAP_ERROR → ID_CONFLICTED
- PUSH_ERROR_RESYNCING → SYNC_RETRYING
NbSetting クラス(旧NebulaSetting) に以下の変更を行いました。
- getCachePolicy の返り値の型を int → NbCachePolicy(enum) に変更
- setOperationMode の型を int → NbOperationMode(enum) に変更
13.11.5. その他¶
NbObjectSycnResoltCallback.onFailure() に NbErrorInfo 引数を追加しました。
13.12. ver 1.0.0 → 1.1.0 での API 変更点¶
13.12.1. Push 関連 API の追加¶
Push 関連 API が追加されました。
13.12.2. onFailure メソッド引数変更¶
BaseCallback およびこれを継承する全インタフェースの onFailure() メソッドに第二引数が追加されました。
第二引数の型は NbErrorInfo であり、エラー理由が格納 されます。
13.12.3. NetworkMode, CachePolicy, SyncState 型の導入¶
ネットワークモード、キャッシュポリシー、同期状態を 表す列挙型として NetworkMode, CachePolicy, SyncState が導入されました。
これにともない、以下のメソッドの返り値が int から 上記列挙型に変更されました。
- NebulaService.getNetworkMode()
- NebulaService.getCachePolicy()
- NebulaObject.getSyncState()
- FileMetadata.getFileSyncState()
- ObjectBucket.getResolveConflictPolicy()
- FileBucket.getResolveConflictPolicy()
また、以下メソッドは Deprecated となります。
- NebulaService.setNetworkMode(int)
- NebulaService.setCachePolicy(int)
- ObjectBucket.setResolveConflictPolicy(int)
- FileBucket.setResolveConflictPolicy(int)
13.12.4. コールバックスレッドの動作変更(Android実装のみ)¶
従来、Android 実装ではコールバック呼び出し時の スレッドは以下のようになっていました。
- ネットワーク通信を伴うAPI(同期除く) : UIスレッド
- オフラインAPI呼び出し : 別スレッド
- 同期コールバック : 別スレッド
ver 1.1 では、いずれの場合も UI スレッドでコール バックされるように変更されています。